匿名さんの懺悔

とあるミスをした。すぐに報告すれば良かったのに言い出す勇気が持てず、結局報告する前に上司数人がそのミスを発見。ミスは誰がやったのか分からないものだった。
｢このミスを黙っているなんて人としてありえない｣
｢知らないフリをしているずる賢いヤツがいる｣
ミスを犯した者が私だと露ほども思っていない様子の上司は、私にそう言った。自分で言うのも何だが、人事評価では上司達にかなり良い評価を頂いていた。
咄嗟に、誤魔化した。自分可愛さに、保身に走った。正直に言えばよかったのに。
誤魔化したことで余計に言えなくなった。バレたらどうなるのだろうか、と日々戦々恐々としている。
人間、正直者が馬鹿をみると言うが、そんな事はないと思った。あの時正直に言えば、｢次は注意してね｣と一言で終わったかもしれない。
これからずっとあのミスがバレないか怯えながら生活しなければならないのだ。

本当に申し訳ございませんでした。どうか咄嗟に隠してしまったことをお許しください。ごめんなさい。